TEAC |
TEAC Model 3(TEAC M-3 オーディオミキサー、1977年(昭和52年)発表)は、入力8ch、出力4chを持つ、4つのアナログVUメーターが70年代ならではのヴィンテージフィールを感じさせるミキサーである。本機は、ターンテーブルTechnics SP-15との組み合わせで、時には33回転盤を78回転に、45回転盤を33回転以下にし、回転数を著しく変化させ楽曲をミックスする、俗にいうCOSMIC SOUNDで知られるイタリアのレジェンドディスコDJ DANIELE BALDELLIがレジデントを努めていた、伝説のdiscotheque、BAIA DEGLI ANGELIやCOSMICで使用していたミキサーである。 M-3のユニークなところは、見た目は小型卓上ミキサーであるが、開発当初からディスコでの使用を想定しており、ステレオ2系統のフォノ入力が備えられている点にある。Ureiで言うところのエフェクトループ(アクセサリー センド/レシーブ)や、ピーク(高域:3kHz/10kHz)とデプス(低域:75kHz/200Hz)それぞれの周波数を連続的にスイープさせる事により、+/- 15dBの変化を得るEQなど、ディスコミキサーとしての基本的な機能は必要十分な設計となっている。1983年に発売された後継機 M-30にも、フォノ入力の他、パラメトリックEQが付加され、その機能が引き継がれた。 Baldelliが当時の現場を振り返り、"DJコンサート"と語っているように、M-3のフォノ入力以外のライン入力にはYAMAHAのシンセやSCI Prophet 2000、KORGのドラムマシンなどを接続し、"ライブ"なミックスを繰り広げていたようだ。また、富田勲氏の5CHピラミッドサウンドを具現化した実験性の高い作品「バミューダ・トライアングル」(1978年)でも本機が5台使用されている。いわば"COSMIC"繋がりと言ったところか。 可搬性の良さもあり、当時はライブミキサーとしての認知度の高かったM-3であるが、近年のエレクトロ〜NWサウンドの復興、ハウスミュージックの源泉としてのイタロ・ディスコサウンドのリヴァイヴァルにより、知る人ぞ知るヴィンテージ・ディスコミキサーとして再発見される事になるかもしれない。 |